配球
よく配球のことを質問されます 「どうしたら 相手のバッターを打ち取る事が出来るのでしょうか?」
私の経験からいうと 配球で捕手に一番必要なことは 相手をよく観察することです
何を観察するか。ひとつは自チームの投手の調子、そしてもうひとつは相手チームの打者の調子です。
まず、投手の調子を把握します。
試合前のブルペンでピッチングをうけ 投手の今日の調子は どのくらいかを確かめます。
ストレートのはしりはどうか、変化球の切れはどうか、コントロールはどうなのか、を観察するのです。
難しいのは、「マウンドに上がったとき 球をどう生かすか」を考えなくてはならないことです。
どんな投手でも、ブルペンでの球とマウンドに上がってからの球は同じにはなりません。投手の心理・マウンドの雰囲気・試合の状況などによって微妙に変わるからです。
ゲームをつくるのは捕手です。今日の投手の球を生かすも殺すも捕手です。ゲームを そして投手を 配球によって動かしていくのです。
次に、相手チームの打者の調子を感じ取ります。
観察の着眼点は、・リズム ・狙い球 ・癖です。
・リズムの着眼点では、スタンスの取り方 構え方で相手の調子をうかがっています。
例えば、足場をならす時間がいつもより長いな、これはどういうことだろう。いつもはバッターボックスに入る前に2・3回スウィングするのに 今日は1回も振らなかったな、これはどういうことだろう。
このように、打者のバッターボックスに入るときの行動に対して「これはどういうことか」を考えています。
・狙い球の着眼点では、初球を打ちにくるか 狙い球をどのくらい絞ってくるか
例えば、なかなか振らない選手がいます。狙いをスライダーだけに絞り込んでいるな、それならどうしたらいいだろう。逆に この選手はなんでも振ろうとしているな、バントするつもりかな、それならどうしたらいいだろう。
このように、打者のバッターボックスでの行動に対して「それならどうしたらいいか」を考えています。
・癖の着眼点では、得意ゾーン タイミングの取り方などをデータ分析によって研究しています。
プロ野球の世界では だいたいどこのチームも 試合前に相手チームのここ何試合かのデータをみながらミーティングをします。ただし そのデータはあくまで他チームとの試合でのデータですから 全部が自分たちのチームとの試合に当てはめられるとはいえません。私は あくまでも参考資料として データを見ていました。
例えば、この選手は右・高め・ストレートの球に強いな、フォークで落としたらどうなるだろう。この選手は初球から振ってくるな、こんな球だったらどうなるだろう。
このように、データ分析では「こうしたらどうなるか」をシミュレーションして考えています。
難しいのは、相手チームも同じようにこちらのデータを持っていることです。ですから、配球が打者との激しい駆け引きになるのです。
このような「相手の観察」を全てやってから 配球を組み立て 1球1球 打者を試し 変化を見ます。
そこでは いかに打者の微妙な変化を敏感に感じることができるかが 勝負になってきます。配球は ストレート・カーブ・シュート・スライダー・フォークの組み合わせです。どう組み合わせるかが 勝負になるのです。
みなさんも 相手のちょっとした変化や 相手が何を考えどんな球を待っているのかということを 注意して感じ取ってみて下さい。いろいろな場面でのその積み重ねが 経験になり より多くの配球パターンがより早く頭の中で出てくるようになるのです。
これらのことは グラウンドでだけではなく ベンチででも 実践できることです。相手チームの打者をよく観察することによって 相手が今 何を考えているのか そして何をしたいのかを読む訓練ができます。
ワンアウト3塁で 1点もあげたくない時 あなたならどうしますか?
私は1 三振を取るか? 2 内野ゴロを打たすか? 3 浅い外野フライで打ち取るか? この三点を考えます
「打たせて捕る」場合 配球で一番考えるのは 投手の力量です。例えば、内野ゴロにするためには低めの球で攻めてゴロを打たせなければなりません。狙い通りのピッチングをする力量があるかどうか ない場合は どのようにしたら狙い通りの球を投げさせられるかを考えます。一番良いのは 三振をとることだと思います 特に ボール球を振らせて 空振りを取ることができれば 最高に良い結果ではないでしょうか。
配球とは 究極にいえば 打たせるか見逃させるか なのです。